「写真の色が合わない…」
子どもの写真を印刷してみたら、モニター(ディスプレイ)で見ていた色と違うってこと、以前はよくありました。
それで印刷した写真が納得できる色になるまで、Lightroomで色を調整して印刷する作業を何度も繰り返す。やっと色が合ったと思えば、時間もインクも大量に消費していて、もはや何の作業をやっているのやら状態でした。
そういった状態から解放してくれたのがカラーマネジメントモニターでした。この記事では、はじめてのカラーマネージドモニターに最適な「BenQ SW2700PT」を紹介します。
6万円後半から購入できるカラーマネジメントモニター
カラーマネジメントモニターとは、JpegファイルやRaoファイルなどの画像データを「正しい色」で表示するための液晶モニターです。写真家やデザイナー、映像制作に携わるクリエイターの方が使用されています。
そのため、ExcelやWordといったオフィス系で一般的に使用されているモニターと比べると、カラーマネージドモニターは高価です。入門クラスでも10万円以上、中級クラス以上となると20万円以上もするのが現状です。公正なPCが買えちゃう値段なんです。
今回紹介する「BenQ SW2700PT」は、本格的なカラーマネジメントモニターでありながら、6万円台後半から購入できるという衝撃のモニターなのです。
下の写真を見てもらうと分かるのですが、他のカラーマネジメントモニターと比べると、かなりスタイリッシュに仕上がっています。支柱の丸いくり貫きなんかクールです。
カラーマネジメントモニターということもあって、入力端子はDVI、DisplayPort、HDMIとよりどりみどりです。外部モニター2台体制のときに、空いている端子で繋げるようになるので重宝します。
本格的なカラーマネジメントモニターだけあって、出荷時にキャリブレーション(色合わせ)してあります。その結果の報告書もモニターに同梱されてきます。
大画面(27インチ WQHD)でゆったり作業
「24インチと27インチでどちらが良いか…」
モニターは大きいに越したことはないのですが設置場所の都合もあるので、サイズはモニター選びにあたって悩みの種です。
訳あって(別記事で紹介します)、24インチモニターと27インチモニターが目の前にあります。並べて撮影した写真がこちらです。見比べてみてください。
どうですか?想像していたよりサイズの違いはないですよね?
設置場所のスペースをcm単位でというシビアな話でなければ、大は小を兼ねると良く言いますが、27インチにしておくと後悔はないです。
物理的なサイズの違いは少ないですが、実際に写真の現像で使用してみると、画面から伝わってくる迫力は、圧倒的に27インチの「BenQ SW2700PT」に軍配が上がります。
写真の現像だけでなく、今、こうしてブログを書いているとき、またインターネットをするときも画面サイズの大きい「BenQ SW2700PT」をメインに使っています。作業効率の違いも歴然です。
遮光フード付きで本格的な現像作業
「BenQ SW2700PT」には遮光フードが標準装備となっています。蛍光灯などの照明はモニターで見える色に少なからず影響を与えます。モニターと印刷した写真の色を揃えようと本格的な現像作業には遮光フードは必要です。
カラーマネジメントモニターの雄「EIZO」では、遮光フードは別売りで2万円するので驚きの付属品だといえます。
正面からの写真。
横からの写真。
下からの写真。遮光フードの天井には、色合わせのキャリブレーター装置をぶら下げるための開閉式の小窓が付いています。
装置を使用したハードキャリブレートについては、使い始めて暫く様子を見てからでも十分だと思います。
参考までにハードキャリブレートで使用する装置は下のようなものです。
SDカードスロットは地味に嬉しい
ディスプレイの側面には、なんと「SDカードスロット」があります。SDカードスロットが搭載されていないPCなら、今後は外付けのSDカードアダプターは不要です。
ディスプレイにSDカードを挿すという発想がなかったので驚きました。この製品は写真好きのPCの使い方を熟知していますね。
USB端子は、ハードキャリブレート用の装置を接続するためにあります。それだけではなくマウスなど繋げるのもありです。
ちなみに、前項にある遮光フードをした状態の側面からの写真を見てもらうと分かるのですが、遮光フードをつけてもSDカードスロット、USB端子はもちろん使えます。
高さや角度の調整も簡単
「なんか違うかも…」、いつもとモニターの高さや角度が変わっていると気になる性格です。私は自他共に認める定位置君です。
「BenQ SW2700PT」には、モニターの高さや角度の調整するための目盛りがそれぞれ付いているため、位置さえ覚えておけば、同じ設定をきっちり保てます。こういった正面から見えない部分にも工夫が施されています。
高さの目盛り。
角度の目盛り。
便利なOSDコントローラー付き
モニターの設定といえば、モニター右下にある小さなボタンをカチカチしながら変更するのが一般的です。ふだんはあまり触らないかもしれないけど、ちょっと調整したいときはけっこうやりづらいんですよね。
しかし、この製品にはOSDコントローラーというリモコンのようなものが付属しています。
線で繋がっている丸い装置です。置いたままでも持ち上げても使えます。
設定用コントローラーなのですが、もっと便利な機能があります。コントローラー部分に注目してください。1、2、3という番号のボタンがあります。
それぞれのボタンにモニターの表示モードを紐付けできるのです。
現在の設定は、1:写真現像用、2:AdobeRGB、3:ブルーライト軽減になっています。作業の用途に合った設定をOSDコントローラーからボタン一つで簡単に呼び出せます。これむっちゃ便利です。
現像作業以外のときはブルーライト軽減にしてます。この表示モードはよく使ってます。
「BenQ SW2700PT」は安いけど大丈夫なのか?
ここまでは良いポイントばかりに注目してきました。低価格なのに機能てんこ盛りなので、品質が悪いんじゃないのかと疑いたくなると思います。そこで購入にあたって気になると思われる心配な点に触れてみます。
プロレベルの品質が必要か?
どこまでの品質を求めるかだと思います。もっと具体的にいうと、カラーマネジメント環境をプロレベルで揃えるのか、それとも趣味レベルで十分なのかです。
外部モニター2台体制なのですが、右側に置いてあるモニターはEIZOのモニターです。品質の違いに気付く技術レベルでなければ、どっちを使っても良いのかなと。
- 達人
- 良い道具を使うレベルまで成長する必要があるということじゃ
- POPOLOG
- 正直、感覚でしか違いは分かりません。素人なので感覚というより勘かも…
故障時の対応の違い
たとえば、EIZOの場合は保証期間であれば修理費はもちろん送料も無料です。
一方でBenQでは、修理費は無料ですが送料の一部は自己負担になります(自宅からBenQに送る送料は負担)。モニターの梱包箱が大きいので、送料は2000円前後かかると思います。
絶対に壊れるとは限らないですし、購入価格(3〜4万円)の差を考えれば、送料負担は考慮する必要はないと思います。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は「はじめてのカラーマネージドモニターにBenQ SW2700PTをおすすめする理由」をレビュー形式で紹介しました。
カラーマネジメントモニターをはじめて購入するのであれば、「BenQの SW2700PT」は機能がてんこ盛りでコストパフォーマンス抜群です。最有力候補であることは間違いないです。
ぜひ購入の参考にしてみてくださいね。