一眼カメラのバッグやアクセサリーで熱狂的ファンを多く抱えるPeak Design(ピークデザイン)から、4年の歳月を掛けて完成させた三脚が2019年末に登場します。
発表があってから、Peak Desginの三脚(Tripod)に関する記事を取り上げるブログが多くありました。それだけ期待されている「証し」でしょうか。
最初に結論を言っちゃうと、この三脚は買いです。
Peak Desgin のトラベラー三脚 — Kickstarter
Bags + Camera Gear | Peak Design 公式サイト
フォトグラファーのことを知り尽くしたPeak Desginらしいギミックであふれています。それでいてコストパフォーマンスが最高なんです(価格は後述します)。
Peak Design から発売される三脚の魅力
Peak Designは「写真を撮ること」をよく研究しているメーカーです。どの製品も奥が深いです。たとえば以前紹介したスリングは段階的に収納を増やせる形態のカバンになっています。だから三脚でも「ほぉ」と、うならせてくれる期待が高い。
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で、今回、Peak Designから発売されるのはトラベラー三脚です。もちろん、ただのトラベラー三脚ではございません。
キーワードは「携帯性(コンパクト)」「迅速性(素早いセットアップ)」です。
携帯性:従来のトラベラー三脚の半分以下のサイズ
トラベラー三脚に求められるのは携帯性です。Peak Designによると、このトラベラー三脚は従来の半分以下のサイズになるとのこと。下の図を見てもらうと、その秘密を一瞬で理解してもらえると思います。
脚部分の形状を工夫しただけでなく、突出した部分も排除されています。
そのため、カメラバッグによくあるペットボトルの格納スペースに、三脚がすっぽり収納できるようになりました。
わざわざ説明する必要はないのですが念のため。この三脚はコンパクトで携帯性が非常に高いので、簡易的な三脚とは思わないでください。プロレベルの安定性と性能をしっかりと維持しています。
トラベラー三脚でありながらも、耐荷重は9.1kgです。フルサイズの一眼カメラに望遠レンズを装着しても支えられます。
素晴らしいのは分かったけど、なぜ今までなかったのか?
正直、コンパクトに収納するために脚の形状を変えるアイデアは、いろいろな三脚メーカーであったと思うのです。でも発売されていない。
三脚の新参者であるPeak Designが発売したけど大丈夫なのだろうか。
Peak Designも「この三脚を作るのは相当困難であった」と告白しています。だからこそ、三脚の設計に4年も掛かったそうです。
Peak Desginはこういった一般的には「ばかげたこと」を実現するために、特定のスポンサーを付けずにクラウドファンディングを活用しています。
僕は信じます。これまで数々の素晴らしい製品を世に送り出したPeak Designを。
迅速性:シャッターチャンスを逃さない素早いセットアップ
三脚を持ち出すことに慣れてくると、次に気になるがセットアップ性能です。
GIZTOのトラベラー三脚2型を所持しています。軽くて耐荷重も高く気に入っていますが、脚を伸ばすまでの動作が複雑です。180度折りたたみ機構になっているので、いったん180度折り曲げる必要があります。
180度折りたたみ機構の詳細は「GITZO GT2545T+雲台GH1382QDキット 購入レビュー」をご覧ください。
一方でPeak Designの場合は、先ほども図で紹介しましたが三脚の脚が円柱ではないので、センターポール部分は脚を180度折りたたむ必要なく脚の真ん中に収納してあるので、脚を広げるだけでスムーズにセットアップ可能です。
また、脚のロック機構はカムレバータイプになっているので、脚のロックを4つ同時に操作可能です。
ちなみに三脚をセットアップする時間は、Peak Designメンバーの最短記録で 9.4秒と高速セットアップを実現しているそうです。
上から下に流れる水のようにスムーズな雲台
三脚のギミックだけでも驚きの連続なのですが、三脚に付属される雲台もヤバいです。映像を見てもらうのが一番です。
ご覧の通り、カメラを取り付けて回すだけ。三脚を出すスピードだけでなくカメラを雲台に取り付け作業も迅速にこなせます。
この雲台は、もちろんPeak Designの名作であるキャプチャで使用するプレートに完全互換です。
他のPeak Design製品と連携はあるのか
三脚に安定性を持たせるために重りを三脚にぶら下げることがあります。この三脚はつるし用フックが付いていてEveryday Backpackをつるせます。恐らく他のカメラバッグも大丈夫ではないかと思いますが、純正なら確実です。
つるし用のフックはセンターポールの底部に取り付けられています。
三脚を使ってスマホ撮影ためのモバイルマウント
「モバイルマウントなんていらんやろ…」と思わず突っ込みました。スマホと三脚だけで出掛けるシチュエーションは思い浮かばないですよね。
でもね、よくよく考えると面白そうなんですよね。
ここ数年、スマホのカメラが大幅に進化して、そこらへんのコンデジよりも描写がキレイです。価格も10万超えとかしているので当たり前と言えばそうなのですが。
だから「望遠レンズとスマホカメラだけでお出掛けもあり」だと思うのです。家族旅行のときはどうでしょうか。全力でスマホ撮影も面白そうじゃないですか。これは遊び心くすぐるアイテムです。
モバイルマウントはセンターポールに収納されていて、スマホで撮影したいときにさっと取り出して三脚に装着できます。
カーボンとアルミどっちがいいの?
初めて三脚を買うときに一番悩むポイントですね。カーボンは軽くて気温が低い場所では冷たくなりすぎません。一方でアルミは重さがあるので安定性が増します、なんと言っても価格が抑えられます。
この三脚の一番の魅力は、やっぱりコンパクトさです。この三脚を欲しいという裏には「持ち運びを楽にしたいという願望」があるはずです。
またPeak DesignのQAによると、カーボンとアルミの仕様の違いは「重さ」、三脚を購入するにあたって「重さ」を重要とするならカーボンが良い解決策になると答えています。
そうなると、やはりカーボン一択です。
「重さ」を重要視しないのであれば、トラベラー三脚ではなく、どっしりとした三脚を探した方が幸せになれます。
他社のトラベラー三脚と比較
他社のトラベラー三脚との比較。一番左の列がPeak Designの三脚の仕様です。
※横スクロールできます。
製品 | Travel Tripod | befreeアドバンス | GT2545T | 824 PRO N | UTC-63 |
---|---|---|---|---|---|
メーカー | Peak Desgin | Manfrotto | GITZO | SLIK | Velbon |
格納高 | 39.4cm | 40cm | 44.5cm | 59.0cm | 36.0cm |
全伸高 | 152.4cm | 127cm | 142cm | 144cm | 136cm |
重量 | 1270g | 1490g | 1840g | 2300g | 1520g |
パイプ径 | --.-mm (円柱ではない) |
22.5mm | 32.9mm | 28.0mm | 30.0mm |
耐荷重 | 9.1kg | 7kg | 12kg | 5kg | 4kg※推奨積載 |
素材 | カーボン | アルミニウム | カーボン | カーボン | カーボン |
段数 | 5 | 4 | 4 | 4 | 5 |
価格 | 52,690円 | 29,704円 | 154,224円 | 102,000円 | 66,000円 |
- 5万円台で耐荷重 9.1kgはお湯の量が多い
- 携帯性をアピールするだけあって、重量が軽い、折りたたんだ状態で40cmきるのも衝撃
ところで価格はいくらなのか?
通常価格とKickstarter(クラウドファンディング)特別価格を下表にまとめました。
材質 | カーボン | アルミ |
---|---|---|
通常販売価格 | 599.95ドル(64,795円) | 349.95ドル(37,795円) |
Kickstarter特別価格 | 479ドル(51,887円) | 289ドル(31,305円) |
差額 | 12,908円もお得! | 6,490円もお得! |
※1ドルは108円で計算(2019/06/15現在)
三脚を買う予定があるなら、Kickstarterで購入すると漏れなく特別価格で購入できます。
Peak Desgin のトラベラー三脚 — Kickstarter
Bags + Camera Gear | Peak Design 公式サイト
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