デジタル一眼レフを使い始めて、最初にぶつかった壁が「ピンぼけ」です。
ママと娘のツーショット写真、構図も最高!けど、娘にピントが合ってママの顔がピンぼけしている。公園で娘がジャングルジムにのぼっている写真、なぜか手前の棒にピントが…
これって初心者が陥るがちな「ボケは正義」という考え方が原因なのです。
絞り優先オートでの撮影
ボケ写真が撮りたいがために、デジタル一眼レフ購入後しばらくの間は、撮影方式は絞り優先オートオンリーでした。
今日は、絞り優先オートで撮影したときに、被写界深度の影響でピントが合わない理由を解説します。ここを理解できれば、被写界深度を操つれれば、ボケ写真も自由自在です。
ボケ狙いの絞り開放がピンぼけの原因
デジタル一眼レフを使えば、簡単にボケを表現できます。コンデジしか使ったことのない人が、その写真をみると「うわぁ、プロみたい」と褒めてくれるケースが多いです。
それで調子に乗って、絞り開放専用カメラへ…(僕の実話です)
絞りを開放すると被写界深度が狭くなります。
- POPOLOG
- 「被写界深度」ちょっと漢字ばかり難しい言葉…
- 達人
- 簡単に言うと、ピント位置を中心とした前後のピント幅のことだ。
- POPOLOG
- ピント幅から外れるとボケてしまうということ?
- 達人
- その通りじゃ!絞り値を小さくする(開放する)と被写界深度が浅くなり、ボケの効いた写真になるが、一方でピント合わせが難しくなるので注意が必要じゃ。
反対に、絞り値を大きくする(絞る)と被写界深度が深くなるのじゃ。
- POPOLOG
- 絞り値ってF値のことだね。昔はボケた写真が撮りたくて、F値は一番小さくしてばかりでした。
絞りとボケは密接な関係があります。詳細は「デジタル一眼レフの「絞りの役割」を知って、背景ボケ写真を自由自在に撮る」もご覧ください。
被写界深度の浅い vs 深い の比較
被写界深度が浅い例
手前のダンボー(Amazonの人形)にピントを合わせ、絞り値を一番小さくして撮影しました。
被写界深度が浅いため、奥側の炭酸飲料がボケているのが分かると思います。
被写界深度が深い例
同じく手前のダンボーにピントを合わせましたが、こちらは絞り値を大きくして撮影しました。
被写界深度が深いため、奥側の炭酸飲料までピントがしっかりと合いました。
被写界深度が浅くて対象物の前後間隔が狭いと…
ここまでの説明で絞り値と被写界深度の関係がなんとなく掴めたと思います。さて、ここでようやく本題のピントが合わない、ピンぼけの話に戻します。
被写界深度が浅い状態で、撮影対象物が2つ以上接近している場合は、絞り値を大きくしないと、どちらかがボケてしまいます。
下の写真の場合、手前のケーブルにピントあって奥側のダンボーがボケてしまいまいた。
この写真を横からみると…
ケーブルとダンボーの間は、1センチくらいしかありません。しかし、それ以上に被写界深度が浅かったということになります。
集合写真で絞り開放すると全員にピントが合わない理由
つまり、2人以上の集合写真で絞りを開放してしまい十分な被写界深度が取れないと、ピントを合わせた人物以外はボケてしまいます。
冒頭で取り上げたママと娘の写真で娘にしかピントが合わない状態は、まさに上の状態になっています。
絞りを理解できれば、ボケ写真も自由自在!
絞りと被写界深度、ピントの関係を抑えると、写真の幅が広がります。
前ボケさせたり…
後ろボケさせたり…
前後にピントを合わせたり…
同じ対象物、同じカメラ位置であっても、絞り値を変更するだけで全然違う写真が撮れます。ボケ写真も自由自在に操れるようになります。
- 達人
- おいおい、せっかくいろいろ覚えたのに、行き着く先はボケなのか。何でも感でもぼかしちゃいかんぜよ…
- POPOLOG
- ボケ命っす!
おしまい。