デジタル一眼レフで初めて撮影した写真を見たときの感動は今でも忘れられません。
子どもの成長の記録を残すためにデジタル一眼レフの世界に飛び込んだのですが、背景ボケの写真は、家族や知人からもプロみたいと好評でした。実際にはプロのレベルにはほど遠いですが、背景ボケは素人にはインパクトが強いです。
背景ボケの写真を自由自在に撮るためには、デジタル一眼レフの基本である絞りの役割を知っておく必要があります。絞りの役割がを抑えておくと、これから撮る写真に大きな違いが出ます。
今この瞬間、赤ちゃんを前にデジタル一眼レフで奮闘しているパパさんの参考になればと思います。
デジタル一眼レフカメラの絞りとは?
デジタル一眼レフを使っていると、「もう少し開放して背景をぼかしたら」とか、「1段絞った方が落ち着くよ」とか言われることがあります。どちらも「絞り」の動作に対する言葉です。
まずは「絞りとはな何か?」について解説します。
カメラレンズの内部には、下図のように羽のような部品があります。
羽を絞り込むことで中央の穴が小さくなって光の量を抑えられます。反対に羽を開放することで中央の穴が大きくなり光を多く通すことができます。
羽によって調整された光を通す穴のこと「絞り」と呼びます。「絞り」の大きさを数値に表したものがF値となります。
下表は「絞りと光の量」の関係を表しています。
絞りを1段開くと光の量が倍になり、逆に1段絞ると光の量が半分になります。
上図では分かりやすいように1段刻みで説明しましたが、実際のデジタル一眼レフでは、1/3段刻みになっています。F2.8、F3.2、F3.5、F4、F4.5、F5、F5.6・・・・
絞りの役割
絞りについては理解できても、絞りを変えると何が変わるの?という疑問が残ります。
絞りの役割は大きく2つあります。
- 光の量のコントロール
- 被写界深度のコントロール
それぞれについて、これ以降で少し掘り下げてみます。
1.光の量のコントロールとは?
羽を絞り込んだり開放したりすることで、カメラに取り込む光の量をコントロールします。
絞りを開放すると光が多く取り込めるのでシャッター速度を稼げます。逆に絞り込むと光の量が少なくなるので、シャッター速度を遅くして時間をかけて光を取り込む必要があります。
室内での撮影の際は、絞りを開放することでシャッター速度を稼げるため、手ぶれの少ない写真が撮れます。
光とシャッター速度の関係は、また別の機会に掘り下げます。
2.被写界深度のコントロールとは?
この記事の本題となる部分になります。
被写界深度とはピントが合って見える範囲のことです。絞りの大きさによって、被写界深度を浅くしたり深くしたりすることができます。
被写界深度を浅くすると全体的にボケたふわっとした写真、深くすると全体的にピントがあって締まった写真になります。被写界深度をコントロールすることで、写真のボケる、ボケないを調整できます。
絞りをコントロールしてボケ写真を撮ろう!
「絞り」の役割を理解していると、同じ構図でも印象の違う写真を撮れます。
下の例は、絞りを開放で被写界深度を浅くしてピント位置を前後に変えることで、前ボケ、背景ボケとなるように撮影しました。
ピントの合わせ方については、「デジタル一眼レフでピントが合わない理由」もご覧ください。
大きなボケ、柔らかなボケを表現するにはF値が小さなレンズが優れています。背景ボケの写真を狙うときは、手持ちのレンズの中からF値の小さいレンズを選びましょう。
F値の小さいレンズはレンズ径が大きいです。光を多く取り込むためにはレンズそのものを大きくする必要があるからです。その分、やはりお値段も高価になります。
キヤノンユーザーであれば嬉しいことに、1万4千のリーズナブルな価格でF1.8のレンズが手に入ります。F1.8でこの価格は本当に安いです。一眼レフらしいキレイなボケをお手軽に体験できます。
- POPOLOG
- このレンズは、フルサイズなら50mmの画角なのでとても使いやすいですね。
- 達人
- このレンズは別名「撒き餌レンズ」と呼ばれておるぞ。レンズに魅了されすぎて、レンズ沼にはまらぬように気を付けるのじゃぞ!
フルサイズとAPS-Cの焦点距離の違いは、「フルサイズ機を初めて使ってみて実感したASP-C機との違い」でも触れていますので、あわせてどうぞ。
おしまい。