デジタル一眼のレンズを購入するときに「35mm判換算」という言葉を耳にしたり見かけたりします。
カメラ屋の店員さんから「35mm判換算で50mmですね」と言われて、35mm判換算の意味が分からなくて戸惑った記憶があります。これは35mm判のフルサイズカメラで使ったときの焦点距離を示します。
ここ最近、ミラーレスが好調とはいえ、初めてデジタル一眼を購入する人が、高額なフルサイズ機からデビューすることは少ないです。キヤノンのEOS Kiss M、EOS Kiss、EOS 90DといったAPS-C機が大半です。
この記事では、撮像素子と焦点距離と画角の関係を解説しつつ、35mm判換算の深掘りして、お話したいと思っております。
画角と焦点距離の関係
画角と焦点距離は密接な関係にあります。焦点距離とは撮像素子(イメージセンサー)からレンズまでの距離です。下図をご覧ください。
ご覧の通り焦点距離(撮像素子からレンズまでの距離)によって、画角が決まります。焦点距離が短くなると、当然ですが画角が広がります。焦点距離が35mm以下のレンズを広角レンズと呼びます。
逆に焦点距離が長くなると画角が狭まります。焦点距離が300mm以上のレンズを望遠レンズと呼びます。
ここまでの説明の途中で、焦点距離が35mm、300mmとサラッと書きましたが、これは35mm判換算(フルサイズ機)の数値です。
フルサイズ機とAPS-C機は焦点距離が同じでも画角は異なる
フルサイズ機とAPS-C機では、焦点距離が同じでは画角が変わります。これから紹介する図の焦点距離は同じです。撮像素子(イメージセンサー)の大きさが違うため、画角が異なっていることが一目瞭然です。
APS-C機はフルサイズ機に比べて撮像素子が小さいです。そのため焦点距離が同じでも画角に多いな違いが出ます。撮像素子が小さくなると画角は狭まります。
カメラの世界は35mm判が前提となっている
1925年に映画用の35mmフィルムを使ったライカI型が発売されました。その後、多数のメーカーが後に続きました。その結果、カメラの世界は35mm判を前提として進化することになったそうです。
- 35mm判カメラを前提に進化してきた
- 画角を焦点距離で表す文化が根付いていた
以上の要因が重なった結果、35mm判換算で画角を表すことが前提(一般化)となりました。
撮像素子(イメージセンサー)の違うカメラが混在しているのだから、レンズは焦点距離ではなく、画角で選べば良いのですが、根付いた文化を変えるのは難しいようです。
それで、APS-Cのときはどうするのかと言うと、35mm判換算の焦点距離に、キヤノンなら1.6倍、ニコン、ソニーであれば、1.5倍をかけると覚えておくと良いです。
35mm判換算のまとめ
ここまでの話を簡単にまとめると、下記の通りです。
- 35mm判換算で表すのは古くからの慣習
- 焦点距離が変われば画角が変わる
- 焦点距離とは撮像素子からレンズまでの距離
- 焦点距離が短ければ広角になる
- 焦点距離が長ければ望遠になる
- APS-C機の場合は、35mm判換算の焦点距離に1.6倍して考える
ここからは余談になりますが、一眼カメラを趣味にしようと思って始められるのであれば、最初からフルサイズ機の購入をお勧めします。
フルサイズ機が高価であることは間違いないのですが、キヤノンのEOS RP(ミラーレス)とかであれば、10万円くらいなので初期投資を最小限に抑えて始められる魅力的な機種です。
ではでは。