「ライオンの写真が撮りたいのに檻が邪魔だな」とか、「せっかくいい写真なのに檻が…」なんて経験ありませんか?
被写界深度を調整することで檻を消すことができます。この方法を知らなかったときは、動物の写真は諦めて家族写真ばかり撮っていました。動物園なのに動物が写っていないみたいな…。
今回紹介する方法は厳密にいうと檻を「消す」ではなく「消えて見える」方法です。カメラの設定だけで誰にでも簡単にできます。
その方法の原理とカメラの設定方法を紹介します。
動物園で檻を消した写真例
長野県小諸市にある懐古園内の動物園に行ったときの写真を使って紹介します。
動物園と言えばライオンです。
まだまだ腕が未熟なもので檻が少し残っていますが、僕の腕にしては良くできた方です。娘に褒められたので間違い無しです。
実際にはライオンの前には下のような檻がありました。
続いて黒ヤギさんです。
こっちはなかなか上手に檻が消えてくれました!檻って消せるもんですね。
実際にあった檻はこちら。フェンスですが…
おいおいおい、白ヤギにかわってるやんけ…
これ以降で初心者フォトグラファーの僕が檻を消したテクニックを紹介します。テクニックとか書いちゃうと説明するに気が引けます。
動物園の檻が消すために「ボケ」を使う
デジタル一眼レフを購入した理由に、「ボケ写真に魅力を感じた」からという方も多いのではないでしょうか?
僕がそうでした。詳しくは「カメラ初心者がコンデジではなく、デジタル一眼レフを買った理由」で紹介させてもらっています。
今回は、そのボケを使って檻を消します。
ボケを発生されるためには、被写界深度を薄くして対象物だけにピントをあててあげます。動物園の場合では、被写界深度をできるかぎり薄くして檻の奥にいる動物にピントを合わせます。そうすることで、手前にある檻が消えたように見えるのです。
被写界深度とピントの関係は、以前、デジタル一眼レフでピントの合わない理由を紹介しています。あわせてご覧いただけると良いかと思います。
檻をキレイに消すためポイント
ポイントは大きく分けて「レンズを檻に近づける」「檻から離れた動物を狙う」の2つです。それぞれのポイントについて簡単に説明しますね。
1.レンズを檻にできるかぎり近づける
ボケには近づくほど大きくボケる特性があります。檻をボケで消したいので大きくボケるほど好都合です。そのため檻とレンズの距離は近ければ近いほど良いです。
冒頭のライオンの檻を消した写真で檻が消え切れていない理由は、レンズと檻との間の距離が長かったためです。ライオンはご存知の通り危険な動物なので、檻の前に安全策があってそれ以上近づけませんでした。
絶対に動物園のルールの範囲内で撮影するようにしてくださいね。
2.檻から離れている動物を狙う
檻に近い動物を狙ってしまうと、ピントの位置が檻に近くなってしまうためキレイに前ボケさせられず、檻が消えません。
檻から遠い動物であれば檻が被写界深度内に入り込むことがないため、キレイにボケてくれます。その結果、写真に檻が溶け込んで消えたように見えます。
檻を消すためのカメラの設定
ここまでは檻を消す仕組みを説明でした。ここからは実際に檻を消すためのカメラの設定の設定になります。
檻を消すためには大きなボケが必要です。ボケを発生させるための設定です。
はい、そうです。「絞りを開放する」ことです。
カメラの設定は絞り優先モードにしましょう。キヤノン場合はAVモードです。
檻を消すために大きなボケが必要となるので、装着しているレンズの一番小さいF値に合わせてください。
カメラの設定をまとめると「絞り優先のAVモードでF値を一番小さい値にする」です。
檻を消すための手順まとめ
ここまでの話してきていきた手順を簡単にまとめてみました。
- カメラの設定は絞り優先AVモード
- 絞りは一番小さいF値に設定する
- レンズを檻にできるだけ近づける
- 檻から離れた動物に狙いを定める
- シャッタを切る
とっても簡単です。その割に知らない人から「うおぉ、すごい!」と言われる可能性が高いお得な技です。
檻を消すなら望遠ズームレンズがお勧め
今回のように動物園の檻を消したいときにお勧めのレンズは、望遠ズームレンズです。
今回、掲載している写真は、TAMRON SP 70-200mm F2.8 Di VC USD フルサイズ対応 A009Eで撮影したものです。F値が2.8と小さくボケ味が抜群ですので、檻を消しやすいです。
- 達人
- 同等レベルのキヤノン純正レンズだと20万円以上するのだが、TAMRON SP 70-200mm F2.8 Di VC USD フルサイズ対応 A009Eは10万円前後と手が出しやすいぞ
- POPOLOG
- 価格が二桁台のレンズの購入は勇気がいったっす。でも明るい望遠ズームレンズは利用できる場面が多くて重宝してます!
明るい望遠ズームレンズは、動物園より子どものお遊戯会や発表会などの室内行事にも使えるので重宝します。パパさんフォトグラファーには、かなり利用頻度の高いレンズになります。
さいごに
動物園は初心者フォトグラファーにとっては良い練習場所だと思っています。
家族のスナップ写真から、ゾウやライオンといった比較的動きが止まっている動物、猿などの動きの激しい動物などなど、被写体はいっぱいあります。
家族もパパさんフォトグラファーも120%楽しめる最高の場所だと思います。
次の週末でも家族を誘ってみてはどうでしょうか?
おしまい。